2010年06月14日

頭の柔らかさ~素材12~

数学の小問集にこんな問題がある。
中学生用とは言え、小学生レベルの算数の問題だ。

問:斜線を引いた三角形の面積を求めなさい。


頭の柔らかさ~素材12~


解答集には次のような模範解答が載っている。

 4×4=16
 4×2×1/2×2=8
 2×2×1/2=2
 16-(8+2)=6


要するに、三角形を囲む正方形の面積から、周りの3つの三角形の面積を引くわけだ。
実際、ほとんどの子がこの方法で出している。

ところが、ときどきユニークな方法で正解を導き出す子がいるのだ。
先日も中3の女の子が、
かなり長時間悩んだ挙げ句正解したのだが、
こんな式を書いている。

 4+2=6

後の「2」はわかる。
右上の小さな三角形の面積だろう。
しかし「4」が何だかわからない...。

どう考えたのか、さんざん説明を聞いてわかった。
下図の青い部分を赤い部分に移して、2×2の正方形にしていたのだ!


頭の柔らかさ~素材12~


なるほど...うまいやり方を考えたものだ。
中学入試などでよく使われるテクニックだが、もちろん彼女はそんなことは知らない。
自分で考え出した解法である。

こういう頭の柔らかさはどこから来るのか?
ときどき考えてみる。

今回の子もそうだが、ユニークな発想を見せてくれるのは女子が多い。
しかも、決して数学が得意とは言えない子が多いのだ

数学ができる子は、楽々正解するが、解き方は模範解答どおりの平凡なものだ。
ある意味画一的でつまらない..。
教わったことは正確にできるけれど、
初めて見た問題、今までのやり方が通用しない問題には固まってしまう。

前にも書いたが、なまじ知識や技量があるために、
新たな発想や工夫ができないということがあるのではないか。


何でも方程式に頼って、かえって難しくしてしまう子がいる。
図やグラフで考えれば一目瞭然なのに、
計算にこだわってミスをする子もいる。

幅広く考えられる力をつけるために、
受験生にはときどき算数の難問を解かせている。
中学数学の使用は厳禁であり、解答に至る道筋を言葉で説明させる。

冒頭の問題の別解を考えさせる、というのもここに組み入れていきたいと考えている。







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Posted by どーもオリゴ糖 at 13:18│Comments(0)素材
 
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