「新解さん」を知っていますか?
一時期結構ブームになったそうで、関連のサイトもいくつかあります。
ご存知の方も多いでしょうが、ナガブロの検索で引っかかって来なかったので、
若い人にもお勧めすべくご紹介することにしました。
それは三省堂の
「新明解国語辞典」!
知る人ぞ知る異色の存在です。
普通、辞書というものは正確さを第一に、
徹底的に感情を廃した客観的な記述を心がけるものでしょう。
その分、当たり障りのない無味乾燥な表現になるのもやむを得ません。
この辞書は全く違います。
もっとわかりやすく、生活に即した説明にしようとした意気込みはわかります。
きわめて冒険的な辞書なのです。
その結果、「主幹」の山田忠雄氏の
独断・偏見・好き嫌い等が盛りだくさんの、
実に
「読んで楽しい」辞書に仕上がったというわけです。
赤瀬川源平著
「新解さんの謎」で、そのユニークさが広く知れ渡りました。
今日は、その本にも代表例として挙げられている、
新明解ならではの定義、解釈をご紹介します。
いわば入門編なので、すでによく知っているという方はパスしてください。
なお、新明解の中でも一番面白いという噂の
「第四版」がたまたま家にあったので、
以下の記述はその版によります。
「動物園」・生態を公衆に見せ、かたわら
保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫
などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、
飼い殺しにする、人間中心の施設。
さすがにクレームが多かったのか、第五版以降はここまでの表現にはなっていません。
「恋愛」・特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、出来るなら
合体したい
という気持を持ちながら、それが、
常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる・
(
まれにかなえられて歓喜する)状態。
「合体」って...ガンダムか...。
「釣りバカ日誌」での用法は、この辞書が元に違いありません。
「常にはかなえられないで」や「まれにかなえられて」に、山田氏の半生が感じ取れます。
実に読み応えがありますね。
さて、では「合体」はどう書いてあるか...。
「合体」・②「性交」の、
この辞書でのえんきょく表現。
そんなのあり...?!
こうなれば次は「性交」です。
「性交」・
成熟した男女が
時を置いて合体する本能的行為。
ここで「合体」を使っては、説明になっていないのでは...?
それよりも注目は赤字の部分です。
未成熟の男女によるものや、時を置かない行為は「性交」ではないのです!
皆さん、気をつけましょう...(何に?)。
今日は有名なものばかりでしたが、
次回は、私が見つけた味のある語義をご紹介する予定です。
お楽しみに...。
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