猫は嫌いだ!
休日の午後、ビールを飲みながら阪神戦を観ていたら、
隣の部屋にまた現れた。
...野良猫だ!
元の住人が飼っていたのだろう。
数年間空き家だったにもかかわらず、
引っ越してきた当初から周囲には猫がたくさんいる。
無視していれば、そのうちいなくなるだろうと思っていたが一向に減らない。
人間がいない間に彼らの城になってしまったか...。
よせばいいのに、妻が残飯を与えるものだからますます寄りつく。
彼女も積極的に飼おうという意志はないのだ。
初めは仔猫が可愛いからやっていたのが習慣になってしまったようだ。
やがて野良猫が図に乗ってきた。
隙を見せると、屋内に入り込んで餌を物色するようになったのだ。
私は犬も猫も好きではない。
まして家の中で飼うなど考えられない。
妻も、家への侵入だけは許し難いようだ。
初めは、たまたま開いていた玄関や窓から入って来たのだろう。
こちらも、ちょっとの間でも開けっ放しにしないよう心がける。
しかし、一度味を占めた奴らは、あらゆる手段を講じて突破を図る。
外から戻って、室内に奴らを見つけたときのショックは大きい。
歩き回った跡は荒らされ、キッチンには食べ物が散乱している。
いったいどこから入ったのか...?
玄関の引き戸はかなり重いのだが、
体重を前足に預けてそろそろと開ける姿を目撃した。
その後も度々開けようとする音がする。
一々鍵を掛けるのは面倒なので、竹でつっかえ棒をした。
内と外と一つずつ。
外に出るときには内側の棒を外して、
一枚開けてから外のを外す。
誰か尋ねてきたら、外の棒を外して開けてもらう。
出入りに手間がかかるが、これで玄関からの侵入は諦めたようだ。
しばらく平穏な状態が続いた。
つっかえ棒をなくしても、もう突破を試みる奴は現れない。
ところがここ数日、また破られたのだ。
どうも玄関ではないようだ。
窓は閉まっているはずだが...と確認していたら見つけた!
廊下のサッシの網戸、下の部分が大きく開いている。
元から少し破れていた所を大きくしたのか、ゼロから穴を作ったのか...?
全く、油断も隙もない。
夜になって涼しくなったので、網戸の破れた箇所もガラス戸を閉めた。
しかしまた発見!
鍵が掛かっていなかったので、破れ目から戸を開けたようだ。
追い立てたら平然とそこから出て行った。
恐るべき知恵と力!
果てしなき戦いは続く...。
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