他山の石

どーもオリゴ糖

2010年07月12日 13:49

先日の記事「他山の石」という言葉を使った。
一般的に知られているであろう、こういう意味のつもりである。

 「自分の人格を磨くのに役立つ材料。参考にすべき、他人のよくない言行。」(大辞林)

 「よその山から出た石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の言行。」(大辞泉)


ところがこの言葉、詳しく調べてみると、どうも微妙にニュアンスが違うようだ。

語源は中国の「詩経」に登場する「他山の石以て玉を攻むべし」である。
「よその山から出る粗悪な石も、玉を磨くときに役立つ」という意味だ。

「粗悪な石」なのだから善い言行には使えないはずだ。
そのあたり、「大辞泉」の定義は曖昧すぎないか...。

ただ、単に粗悪という以上に、
「自分の方が優れている」という「上から目線」の意識が垣間見える定義もある。

 「ほかのつまらない出来事や他人のくだらない批評でも、
  自分の品性・知徳をむがく助けになるということ。」(旺文社国語辞典)

 「自分より劣っている人の言行などを、自分の参考にする。」(広辞苑)


こうなると、なんだか鼻持ちならない表現ということにならないか...。
私としては、自分への戒めという意味で使ったつもりである。
「パル教育システム」さん、ごめんなさい...。

さらにユニークなのがこんな解釈。
さすがの「新解さん」である。

 「〔よその山から出た石であって初めて、玉をみがくのに役立つものだ、の意〕
  見てくれが良くなくとも、そのものの大成には欠くことのできない好材料
  〔俗に、模範の意に解するのは誤り〕」(新明解国語辞典)


今までの定義は全て「誤り」だと断言している。

自分の山から出た石ではダメなのだ。
他の山から出た石が欠かせないのだ。

「好材料」と言っているように、かなりのプラス評価である。
「可愛い子には旅をさせよ」的なニュアンスが感じ取れる。

こうなると、私の使い方も相手に少しは敬意を表したものになるか...。
もっとも、「欠くことのできない」とまでは言えない。
ん?...やっぱりバカにしているのかな...。






関連記事