専門用語?
娘(24歳)に宅急便が届いた。
おそらくコンサートのチケットだろう。
「セキュリティーパッケージ」「重要書類在中」「代品なし」など、おどろおどろしい文字が並んでいる。
こういう、荷物に記される注意書きは、独特のものが多い。
「投込厳禁」は、まあわかる。
しかし疑問も湧く。
これが書かれていない荷物は、投げ込んでもいいのか?まさか、玄関を開けて荷物を放り投げていく業者はあるまいが...。
「完全判取」は初めて目にした。
今「はんしゅ」変換しても、「藩主」しか出てこなかった...。
それだけ特殊な専門用語なのだろう。
「完全××」で思い浮かぶのは、
「完全無欠」「完全試合」「完全犯罪」くらいのものか...。
いずれにしても、なんか重々しい。
まあ、言わんとすることはわかる。
確かに届けたことを証明するため、必ずハンコやサインを貰うことという意味だろう。
ならば、もう少しスッキリした言い方はないものか...。
「受取確認必須」では長いか...。
「受印必須」ならどうだろう?
前々から気になっていた注意書きのことを思い出した。
「天地無用」である。
もちろん、荷物の上下を逆さまにしてはいけないという注意だが、
一瞬、まったく逆の意味にも取れる。
「心配無用」や「問答無用」の「無用」は、そうする必要がないという意味だろう。
すると「天地無用」は、天と地を気にする必要がない、
ひっくり返しても構わない...とも取れるのではないか...。
「天と地を逆にする必要がない」と解釈すればいいのだろうが、なにか釈然としない。
これでは、この注意書きのない物は、わざわざ逆さまにするのがルールのように聞こえる。
ダンボール箱が大きすぎて上部に空間ができてしまったとき、
新聞紙やプチプチを詰めて形を整える。
中に壊れやすい物が入っている場合は、つぶされないように注意書きをしておく。
これを私はずっと
「上乗厳禁」と書いてきた。
ところが、どうも主流は
「下積厳禁」のようだ。
「上乗厳禁」の方は、他の荷物を対象としている。
他の荷物を上に乗せないでね、ということだ。
一方「下積厳禁」は、注意書きのある荷物を対象とした表現である。
この荷物を他の荷物の下にしないでよ、とアピールしている。
そうすると、やはり「下積」の方がわかりやすいのだろうか...。
でも、「下に積む」という表現が気になる。
「積む」には、どうしても上へ上へというイメージが伴うのだ。
おまけ:「下積み生活」などを連想してしまうのもよくない。
NHK「ケータイ大喜利」の「下積長子」ご存知の方いますか...?
他にも、荷物に付けるいろいろな注意書きがある。
「こわれもの」「なまもの」「折曲厳禁」「水濡注意」「取扱注意」...。
これらは誤解されることはないだろうが、あまりに専門用語的な言い方が増えすぎるのは困る。
グローバル化が進む時代、万国共通の注意書きを考える必要も多かろう。
ピクトグラムのように、目で見てわかるのが一番だ。
国内の荷物でもそれが主流になってほしいと思う。
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