火のない暮らし

どーもオリゴ糖

2010年05月25日 13:27

「100円ライター」が姿を消すかも知れないという。
使い捨てライターの安全規制が強まったからだ。
幼児の火遊びによる事故が増えていることを受け、
子どもには簡単に着火できないような構造にするとのこと。
構造が複雑になれば、当然「100円」では販売できなくなるだろう。

子どもの火遊びは昔からあった。
悲劇につながることもあっただろう。
しかし、だからと言って火を暮らしから排除することはできなかった。
火がなければ日々の生活ができなかったからである。

人間は火を扱う術を手に入れることで進化した。
そして長い歴史の中で、火が持つ便利さと怖さの両方を体験してきた。
だから子どもに対しても、火を遠ざけるのではなく、
火との正しい付き合い方を教えてきたのである。

現代は「火のない暮らし」が進んできている。
冬はエアコンや床暖房で暖まる。
ファンヒーターも、火を使っているという感覚は少ない。
調理にも火を使わない「オール電化」とやらが人気だ。
いつかの「天声人語」に、火を「くべる」という言葉が死後に成りつつあるという話があった。

マッチを擦れない子どもが多いという。
何でもスイッチONですんでしまう生活を送っていればそうであろう。
火のありがたさも怖さも知らない世代が、これから増えていくことになる。

長男が小学生の頃、石油ストーブの天板に脱衣カゴを乗せてしまったことがある。
プラスチック製のカゴは簡単に溶けてしまい、危うく火事になるところだった。
それまでファンヒーターしか知らなかった彼は、天板が熱くなることを想像できなかったのだ。

我が家では3年前に薪ストーブを導入した。
焚き火が好きな私の「火遊び」のようなものだが、炎を見ていると落ち着く。
実際の暖房能力以上のぬくもりを感じる。
スイッチ一つで着火というわけにはいかないが、
焚き付け材から火を大きくするのも楽しみの一つである。

風呂釜も灯油と薪(ゴミも)両方焚けるタイプにこだわった。
調理には当然ガスである。
オール電化とは程遠い生活を送っている。
火のある暮らしを大事にしたいのだ。

「安全」「安心」「快適」などの美辞麗句のもと、暮らしからどんどん火がなくなっていく。
野焼きも焚き火も気軽にはできなくなった。
はたしてこれは進歩なのだろうか?

ライターの事故が多いなら、子どもの手の届かないところに置けばいいだけだ。
そして、親の立ち会いの下で火の扱い方を教えることだ。
日々の暮らしの中で無理なら、キャンプに連れ出してもいいし、
河原でバーベキューをするだけでもいい。

ひたすら火を遠ざけることばかりに目を向けていては、
いずれまた事故が起こることになるだろう。
危険の回避を道具だけに頼っていては、人間は退化するばかりである。




















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