小学校の算数で多くの子がつまずくのが
「一あたりの数」を求める計算です。
たとえば「250kmの道のりを5時間で行ったときの時速は?」
「200㎡で30kgの肥料を使うとすると、1㎡では何kgの肥料が必要か?」という問題のことです。
「全体の数」と「いくつ分の数」から「一あたりの数」を出すわけですが、
言葉の意味をきちんと理解できている子はごく少数でしょう。
ほとんどの子はこうやって計算するという「公式」を覚えて当てはめているだけです。
分数の計算を習うと、さらにやっかいな問題が登場します。
手元にある東京書籍の「小6・上」の教科書を見てみましょう。
「4分の3㎗のペンキで、板5分の2㎡をぬれました。このペンキ1㎗では、板を何㎡ぬれますか。」
国語的に突っ込みたいところもありますが(読点の打ち方)、
それはともかく、どういう計算をすればいいかすぐにわかりますか?
教科書には「ぬった面積」÷「使った量」=「1㎗でぬれる量」という式があり、
分数でも整数や小数のときと同じようにわり算にするという説明が続きます。
理屈はそうですが、
4分の3で割るという行為は大人でもしっくり来ません。
図を描いて、まず4分の1㎗で塗れる面積を求め、それを4倍して1㎗分を出した方がよほどわかりやすいのではないでしょうか。
先日、この手の問題が満載の宿題に苦戦していた6年生に聞いてみると、
学校ではいきなり分数で割るやり方しか習っていないとのこと。
その宿題には分数のかけ算を使う問題も含まれていて、
掛けるのか割るのか、どれをどれで割るのか、完全に混乱していました。決して算数が苦手な子ではありません。
図を描くやり方を教えたらすんなりと正解を出していました。
私にはこの問題を6年生に与える必要性がわかりません。
「一あたり」の概念を理解させるには整数同士で十分ではないか、
双方を分数にして複雑にする意味がどこにあるのか、
なぜ
(5分の2)÷(4分の3)という解き方を機械的に教え込まなければならないのか...。
脱ゆとり教育で教科書が厚くなった分、こういう悪問も増えるのではないかと危惧しています。
算数嫌いを大量に生み出す結果にならないことを祈ります。
※ 画像は国蝶のオオムラサキです。
毎年、同じエノキの葉を食べるテングチョウが乱舞し始めると、ほどなくして姿を見せてくれます。
いつ見ても気品があります...。