教科書がおかしい

どーもオリゴ糖

2011年07月09日 13:35

「なぜこんな計算をさせるのか」の続編です。

今回は中学の数学。
全国的に見てもかなりのシェアを誇るであろう、啓林館版(中1)の教科書だ。

「立体の表面積と体積」という単元にある円錐の側面積の問題。
下の画像を参照願いたい。

 <例題1>
  底面の半径が6㎝で、母線の長さが9㎝の円錐の側面積を求めなさい。

前回同様、早くもここで突っ込みたくなる。
「6㎝で」の後に「、」いるか...?

まあそれはいいとして、解法を見ると、わざわざ罫線で囲ってゴシック体でこう書いてある。


  側面の展開図は,半径9㎝のおうぎ形で,その中心角をχ°とすると,
  
  2Π(パイ)×9×χ/360(360分のχ)=2Π×6
 
  これを解くと,χ=240

   したがって,側面積は,

  Π×9の2乗×240/360=54Π(㎠)

なぜ、数学に出てくる日本語は、こんなにいい加減なのか?
読点が多すぎてブツ切りだし、そもそも「、」じゃなくて「,」なのが気に入らない。
さらに、文の終わりに「。」がない。
中学生が、その内容以前にまともな型の文さえ書けない一因は、こんな教科書の文にあるのかもしれない。

また話がそれてしまったので、本題に戻る。

この問題で、側面のおうぎ形の中心角を出す意味がわからない。
途中でおうぎ形の弧の長さ(12Π)を出しているのだから、
仮想円(円周18Π)に占める割合は、12Π/18Π=2/3とわかる。
ならば、面積も仮想円(81Π㎠)の2/3であることは、簡単に理解できるだろう。
中心角など持ち出すから、まわりくどくなるのだ。

教科書には、その横に
「側面のおうぎ形が,円全体のどれだけの大きさかを考えてもいいね」 (「。」なし)とある。

「~てもいい」だと...?
じゃあ、上の解き方ではそう考えていないんかい?
中心角を出す解き方でも、、結局は仮想円に対する割合を出しているのではないのか...。
で、繰り返すが、割合を出すだけなら、中心角を出す必要はないのだ!!!

生徒を見ていると、この種の問題にはお題目のようにχ/360を持ち出す子が多い。
なぜそんな面倒な作業をするのかと不思議に思っていたが、
まさか教科書に、こんなバカな解き方が堂々と載っているとは思わなかった。

弧の長さから割合を出す方法を載せると、かえって生徒が混乱するとでも思っているのだろうか?
だとしたら、あまりにも子どもを馬鹿にしている。
余計なことは考えず、「公式」に当てはめて解けということだ。

教科書が、子どもたちの考える力を奪っている...。






















 



 







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