くたばれ清潔志向!
屋内の砂場が人気だそうだ。
ショッピングセンター内にある有料施設で、
砂には抗菌処理を施し、備長炭も敷いてあるという。
犬や猫の糞もなく安心とのこと。
こんな砂場で遊んで楽しいのか?
服を汚したり、耳に砂が入ったり、
雨の後にはベチャベチャになりながら団子を作ったり...。
それが砂遊びというものではないのか...。
東京ドームを思い出してしまった。
阪神戦を観に何度も行ったが、あの息苦しさには閉口する。
2階席から見るとまさに
「箱庭」(もしくは野球盤)で、
簡単にホームランが出るのも納得だ。
一度だけ行った
甲子園球場とは雲泥の差である。
あの広さ、開放感、夜空に上がる白球の美しさ...。
野球を観に来ているとうだけで幸せになれる球場だった。
雨や風、気温に左右されないのがドーム球場の長所だが、
それらの要素も含めて戦うのが野球の醍醐味であろう。
そもそも
「野」ではないのだから、あれは別の競技である。
人工的な要素が増えるほど、管理されればされるほど、
「快適さ」と引き替えに楽しさ、面白さは減少する。
子どもの遊びも、スポーツも同じである。
だいたい、何から何まで
「抗菌」なのは異常ではないか?
抗菌仕様にさえしておけば売れるということか...。
消費者の側が本当にそれを求めているのか、
うまく踊らされているだけなのか...。
手洗いやうがいが無意味だとは言わないが、
あまりにも神経質になりすぎているのではないか?
清潔に、清潔に...汚いものは遠ざけて...と、
子どもを「隔離」していたのでは免疫はできない。
ちょっとした発熱や下痢を繰り返すことで、子どもは逞しくなっていくのだ。
アレルギーやアトピー体質の増加も、
過剰な清潔志向と無縁ではないだろう。
今の日本は、抵抗力の弱い、ひ弱な子どもを育てることに懸命になっているようだ。共用のスリッパなど履けない、小さな虫一つに男の子まで大騒ぎする...。
砂場に犬猫の糞などあってはとんでもない、という発想になるのもむべなるかなである。
日本人は退化していくしかないのか...。
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