逆行していないか?
毎年この時期に、長野県高校入試のいわゆる
「過去問」を中3生に配布する。
実際の入試のレベルや傾向を認識させるためだ。
今年出版されたものは、2010年に実施された入試から過去5年間、
つまり2006年までの問題と正解、解説が収録されている。
毎年、最大手であろうF教育社の過去問集を買っているが、
うまいところに目を付けたものだと感心する。
各都道府県別のものを、受験生の3割が購入したとしても相当な売上になる。
編集は、新聞にも掲載される問題、正解を載せ、簡単な解説を加えるだけだ。
ただし、この解説には今一なものも...。
翌年入試の出題分野予測もあるが、これはもっと当てにならない。
塾には以前からのものが1部ずつ保管してあるので、
古くは昭和の時代の入試問題もある。
今の問題と比べると、各教科ともずいぶん様相が異なるようだ。
中でも気になったのが国語だ。
記述問題が激減している...。
かつては150~200字で、自分の考えや意見を書かせる問題があった。
単独の設問で、小論文とまでは行かないが、テーマに沿った作文だ。
それが徐々に字数が少なくなる。
同時に、独立した問題ではなく、長文読解の中の小問扱いになった。
一部の要約や、該当部分の理由を書かせる形式だ。
2004年以降は、50字を超える記述問題は皆無だ。
文章の一部を抜き出して答えればOKというものが主流である。
自分の言葉で表現する力は問われていない...。
日本人の言語力が危ないと言われている昨今である。
高校入試のこの流れは、時代に逆行しているのではないか。
今こそ、自分の考えを整理し、自分の言葉で伝える力を重視すべきではないのか...。
自由記述を増やせば、もちろん採点の手間も増える。
採点者の判断に委ねるのは平等ではないという意見もあろう。
それでも、だからと言って切り捨てていい問題ではない。
他の都道府県を見れば、長めの自由記述を採り入れているところも決して珍しくないのだ。
やる気次第である。
今年も10月に実施予定の
「言語力検定」は、
4割が自由記述なので結果が出るまでに1ヶ月以上かかる。
さすがに高校入試ではこうは行かないが、
何らかの対策を考えた上で、自由記述問題を復活させてもらいたいと切に願う。
関連記事