うるう年を知らない!
中学生が言葉を知らないのには驚かなくなった。
それ以前に、一般常識と言っていいことを知らないのだ。
小学生はともかく、中学生なら当然知っておくべき、
あるいは知っておいてほしいことを知らなすぎる。
一例を挙げよう。
ある日の塾での一コマである。
「1ヶ月が30日以下の月は?」という問に、中2の女子が悩んでいた。
実はこの問題、正解率がきわめて低い。
中学生で10%を切るのではないか...。
そのとき在室していた他の生徒(中2が他に2名、中1、小5が各1名)も
いずれこの問題にぶつかることになるので、この機会にまとめて教えることにする。
以下、私と生徒とのやり取りである。
私「この問題わかる人いる?」
生徒A(中2)、B(中2)、C(中2)、D(中1)、E(小5)「....。」
私「う~ん...。じゃ、その前に...28日までしかない月は知っているよね?」
(多くの子がうなずくので生徒Cを指名。)
生徒C「 ...4月...。」
私「2月だ。...2月が29日になる年もあるよね。」
(今度はほぼ全員が「?」という顔をする。)
私「うるう年って知らない?...1年が1日長くなるの...。」
全員「えーっ?!」
私「1年は何日だ?」(生徒Dを指名。)
生徒D「30日...。」
私「1ヶ月じゃなくて1年!」
生徒「ああ...365日。」
私「そう。それが4年に一度2月が29日まであって、1年が366日なるの。
これがうるう年。20××年の××が4で割り切れる年がうるう年です。」
しばし、うるう年がある理由と、その仕組みについて説明した。
(4年に一度うるう年。100年に一度うるう年をやめる。400年に一度うるう年を復活させる。)
そこからやっと、本来の「30日以下の月」の話に入る。
「大の月」「小の月」から始めて、
最後は「小の月」の覚え方=
「西向く侍」を伝授。
このくらいのことは常識として覚えておくよう言い聞かせた。
大人になったら1日多いか少ないかは大きな問題だと...。
他にもいくらでもある。
アマゾンがどこにあるか知らない。
日本の県名も西日本になると壊滅的だ。
日本が戦争に負けたことを知らない。
日本は先進国ではなく発展途上国だと思っている。
村や町の存在を知らない(すべて「市」だと思っている)。
ツツジやスギナは見たことがないと言う。
1kmがどれくらいの距離か見当も付かない...などなど。
切符の買い方を知らないという高校生もいた。
島崎藤村や武者小路実篤、ヘミングウェイは、高校生でも知らないことの方が「常識」なんだそうだ。
こうした現状の一因を学校教育に求めることもできよう。
小学校でちゃんと教えてくれなければ困ると...。
しかし、上に挙げた例の大半は、学校よりもむしろ家庭で教えるべきことである。
毎日の生活の中で、親から子へ伝える一般常識である。
手伝いをさせたり、家族で遠出をしたり、ときには一人で「冒険」をさせたり...。
家族との豊富な会話や様々な生活体験を通じて、自然に身につける知識ではないだろうか。
私自身も、「西向く侍」や多くのことわざ、言い伝えなどは親から教わった記憶がある。
今、企業が新入社員に求める能力の1位はコミュニケーション能力である。
裏を返せば、それが貧弱な若者がいかに多いかということだろう。
その一因が一般常識の不足にあることは、十分考えられることではなかろうか..。
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