2010年05月27日

「-2倍」という発想

5月の途中から入塾した中学2年生。
数学がサッパリで、小学校の算数段階からあやしい。
特に分数がよくわかっていないようだ。

小学校卒業時に分数、割合、比などが完璧に理解できている子は、
中学校の数学でも間違いなくトップクラスに入れる。
実はわかっていない子が、それほど多いということだ。

そこで、小6~中学生を対象とした分数や割合のオリジナル教材を作った。
たとえば、「3分の1」は読んで字の如く「3つに分けたものの1つ」というところから始まる。

長めの説明の後の第一問。

 問1:A、B2本のヒモがある。Aの長さは40cm、Bの長さは20cmである。
    (1)Aの長さはBの長さの何倍か。
    (2)Bの長さはAの長さの何倍か。


(1) はすぐにわかったようだ。「2倍」と書いてある。
(2)の「1/2倍」は難しいかな?と思っていたのだが、
本人が何か書くまでは決して口出ししない。
しばらく他の子を見てから戻ると...

 「-2倍」

一瞬唖然としたが、すぐに彼の思考回路が見えた。
(1) は増えるのだから「2倍」。
だったら減っている(2) は「-2倍」ということなのだろう。

もちろんとんでもない間違いだが、この発想、なかなか面白い。
正負の数の単元で、マイナスを掛けるという概念が理解しづらいのも、
「-」は「引く」「減る」の意味だという意識が強くあるからだろう。

彼にはじっくり説明し直して、
なんとか「500円の4/5」や「1200円の7/6」くらいまではわかるようになった。
まだまだ先は長いが、やる気はある子だ。
彼の考え方も理解しながら、その思考に沿った教え方でとことん付き合って行きたい。




「-2倍」という発想






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Posted by どーもオリゴ糖 at 12:52│Comments(0)よしなしごと
 
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