2011年04月04日

おとなしいだけでいいのか?

大地震、大津波、さらに原発騒動...。
未曾有の災害に遭っても秩序を乱さず、整然と行動する日本人のマナーに、海外からは称賛の声が上がった。

ところが、時が経つに従って疑問の方が増えてきているという。
「なぜもっと声を上げないのか?」

私も初めからそう思っていた。
日本人はおとなしすぎる...。

「おとなしい」は「大人しい」だ。
日本では、「大人である」とは自制心を持つことである。
周りの空気を読み、突出した言動をしないことである。
震災後のCMやイベントの「自粛」ムードにも、横並び意識が垣間見える。

出る杭は打たれ、「もっと大人になれ」と戒められる。
主張や不満があっても、デモなどの行動に出ることは稀である。
「若さ」は「バカさ」でもあるが、「若年寄」が多くなった。
そして歳を重ねるにつれ、より「まるくなる」ことが求められる。

先週発売された「週刊現代」にも、「優しすぎる日本人へ」と題する記事があった。
「仕方がない」で許してしまっていいのか?
なぜもっと、政府や東電を追及しないのか...?

避難所では、みな周りに迷惑をかけないよう、気を遣って暮らしているに違いない。
ストレスも貯まっているだろうが、マスコミの取材には謙虚な姿勢と感謝の言葉を忘れない。
身内に犠牲者が出た人ほど、逆に明るく振る舞ったり、率先して行動したりしているとも聞く。
素晴らしいことではあるが、心の奥底に本当の気持ちが鬱積していくことを危惧してしまう。

もっと感情を出せばいい。
泣きわめけばいい。
文句を言えばいい。


...そうは言っても、日本人には難しいだろう。
だからこそ...と誰かがラジオで言っていた。
救援物資にアルコール類も入れればいい。
酒の力を借りれば、少しは感情を表に出してすっきりすることもできるだろうと...。
大いに賛成である。

「人に迷惑をかけない」を子育ての根本に置いている家庭は多かろう。
それはもちろん、人として大切なことではある。
しかし、それだけではいいのか...。
おとなしいだけでは何も変わらない...。

もっと声を上げよう。
政府はもっと迅速に行動しろ!
「安全」と言うばかりでなく、どうなれば危険なのかを示せ!
東電は、「入院」で逃げている社長を出せ!


大本営発表を素直に信じ、どんな状況でも「仕方がない」と耐えてくれる国民ほど、
為政者にとって御しやすいものはないのである。










  


Posted by どーもオリゴ糖 at 12:50Comments(0)よしなしごと