2011年04月18日

「てん」で話にならない

小学生の国語の問題。

 (問)次の2つの文を1つの文にしなさい。

   風が吹いた。そして雨が降ってきた。

ただ「○」を「、」に換えるだけの子がいる。

   風が吹いた、そして雨が降ってきた。

う~ん...。
実はこれはまだいい方で、「、」さえ付けない子もいる。

   風が吹いたそして雨が降ってきた。

こうなるともはや日本語とは言い難い。

正解例はもちろん、

   風が吹き、雨が降ってきた。

あるいは

   風が吹いて、雨が降ってきた。

後の方は「、」がなくてもいいが、「風が吹き」には「、」がほしい。
「、」のない答えの子に「どこかに点がいるなあ」と言うと、こうやった。

   風が、吹き雨が降ってきた。

そんなとこで切らないだろう!
声に出して読んでごらん...。

中学生を見ていても、どうも主語の後に自動的に読点を付けたがる子が多い。

 おじいさんは、山へ柴刈りに、おばあさんは、川へ洗濯に...。

読点は多ければいいというものではない。
こう細切れにされてはリズムが悪すぎて読みにくい。
「~柴刈りに」の後に打つだけで十分だろう。

逆に、中3になってもまったく読点のない文章を書いてくる生徒もいる。
ひどいのになると句点(○)さえない...。

句読点の打ち方は筆者の裁量に任される部分も多いが、
基本的なルールだけは全員に身につけさせるべきだろう。
主述関係のねじれ、接続詞や接続助詞のいい加減さなども目につく。
今の学校教育では、そういった技術的な指導はほとんど成されていないのではないか。

新美南吉作「おじいさんのランプ」を題材とした中学生向け国語教材が、
現在最後の仕上げ段階に入っている。
今月中にはほぼ完成予定だ。

それが終わったら、より基礎的な国語教材を作ろうと思う。
より高度なものを先に作るつもりだったのだが、
どうも順番を逆にした方がよさそうである...。







※画像は松代・尼巌山山頂のヒオドシチョウ。登山記録は後日掲載予定。

    


Posted by どーもオリゴ糖 at 12:03Comments(0)ことば