2010年09月27日

調べろよ!

生徒が「できました」と言う。
私はでき具合を確認し、質問はないかと問う。
「ありません」と答えると、こちらから質問だ。

「円周率って、何の何に対する率?」
「力と圧力の違いは何?」
「公地公民ってどういうこと?」


多くの場合まともな答が返ってこないので、こう指示することになる。

「教科書でも辞書でも、何を見てもいいから調べろ!」

辞書類や教科書、参考書などは豊富に揃えてある。
何とか自力で答えさせたいのだ。

用語の意味(定義)について追及されたとき、多くの生徒は辞書を引く。
「わかりました」と言うので確認しに行くと、辞書の説明をそのまま読み上げる。
本当は全く理解できていないことはすぐわかる。
途中でつっかえたり、変な所で区切ったりするのだ。

「で、その説明でわかった?」と聞くと首をかしげる...。
そりゃあそうだ。
例えば「圧力」を国語辞典で引いても、「力」との違いは書かれていない。
私が問うているのは、理科における「圧力」の定義なのだ。

結局、教科書や参考書で調べ直すよう指導することが多い。

ともあれ、わからなかったらまず自分で調べる、
それでもわからなかったら質問する、という姿勢だけは身につけさせたいのだ。


ところが、この当たり前の習慣がついていない大人が多いようだ。
少し前の信毎の記事だが、文化庁の国語に関する世論調査の結果が載っていた。

新聞や雑誌の漢字が読めずに困った経験がある人は41%だった。
以下は、その場合の調べ方に対する回答だ。

「本の形の辞書」が30%。
「携帯電話の漢字変換」が26%。
「電子辞書」12%。
「インターネット上の辞書」11%。
「ワープロ、パソコンの漢字変換」7%。


世代によって、紙の辞書から電子媒体へ大きな変化があるのは当然だが、
ここまでは、とにかく調べようという気持ちはある。
問題は次だ。

「調べない」34%
なんと、これが最も多かったのだ!

紙の辞書しかなかった時代ならわかる。
出先で辞書が近くになかったのなら仕方ない。
広辞苑のような大きな辞書では引くのが億劫で...というのもまだ理解できる。

しかし、今の時代なら先に挙げたような手軽な方法が複数ある。
いつでも、どこでもの範囲は飛躍的に広がったし、
昔より遙かに少ない手間で調べることもできるようになった。

それなのに、面倒だから調べないという回答がこれほど多いとは...。

知識欲の低下...?
こだわりの無さ...?
情報過多の影響...?

いろいろ考えさせられる調査結果であった。

一番怖ろしいのは、何に対してもこだわらず、深く考えようとしない人間が増えることだ。
私自身は「わからなかったら調べる」という基本姿勢だけは忘れたくないし、
子どもたちにもそれを訴え続けていきたいと思っている。






調べろよ!








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Posted by どーもオリゴ糖 at 13:05│Comments(0)ことば
 
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