2010年10月04日

テストの点は上げるものか?

テストの点は誰でも気になる。
そりゃあ、良いに越したことはない。

当然、多くの塾はテストの点を上げることに照準を合わせてくる。
定期テストの前には、その中学の何年分かの「過去問」を元に対策を練っている。
「予想問題」を作って対応している塾もあるようだ。

私の塾は、テスト対策を一切しない。
生徒が自主的にテスト勉強をするのを禁止するものではないが、
私から積極的に動くことはない。

正直、テスト対策をした方が、保護者や生徒からのウケはいいだろうと思う。
だが、しない。
教室だよりでもその点ははっきり宣言した。

定期テストは範囲が決まっているのだから、
そこを集中的に勉強し、よくわからない所はまる覚えしてしまえば何とかなる。
その気になれば40,50点は簡単に上げることができるだろう。

だが、それが勉強だと思ってもらっては困るのだ。
その場凌ぎの勉強で誤魔化してきた子は、総合テストになって必ずつまずく。
出題範囲が格段に広くなった途端、それまでの勉強法ではどうにもならなくなるのだ。

そうならないためには、普段から本質を理解する勉強を積み重ねていくしかない。
付け焼き刃ではない、しっかりした学力を身につけさせしかないのだ。
テストの度にこれが中断されては、甚だ効率が悪い。
結果的には、テスト対策に翻弄されない方が得策だと思っている。

さらに言えば、前述したようなテスト用の勉強くらい、
塾に頼らず自分でこなしてほしいのだ。
それくらいのことも大人がお膳立てしてやらなければできないようでは、
高校や大学での勉強にはついて行けない。

だから、塾ではテスト対策をしない。
あえて言えば、普段の指導すべてが、高校入試や大学入試の対策になっているのだ。

漢検や数検、TOEICなどでもそうだ。
それ用の対策本や過去問で準備するのが当たり前になっている。
私自身もそうしたことが多かったし、生徒に対してもある程度同じようにしてきた。

でも本当は、そういう受検の仕方に疑問を持っている。
出題傾向をつかむくらいの準備は必要だろうが、
そんなレベルを遙かに超え、検定のためだけの勉強に多くの時間が割かれているのが現状であろう。

それが当たり前になっているから、
普段の実力を測ろうと思って何もしないで受けるととんでもない結果になる。
対策をした上で受検することが前提となっている検定でいいのだろうか...。
健康診断の前だけ節制するのと同じようなものではないのか...。


一度、それ用の対策を一切せずにTOIECを受けたことがある。
得点は前回より50点下がったが、しっかり対策したときとは一味違う満足感があった。

テストの点は「上げる」ものではなく、
普段から納得の行く勉強をしていれば、自ずと「上がる」ものであると考えている。














  


Posted by どーもオリゴ糖 at 12:46Comments(0)よしなしごと