2010年09月30日

小学校にも落第を!

過激なタイトルであるが、冷静にお付き合いいただきたい。

中1の男の子が体験学習に来た。
母親の話では「方程式がわからない」と言うので、
おそらく文字式でつまずいているのだろうと思い、数題やらせてみる。

ところがさっぱり筆が動かない。
これは小学校段階から怪しいと判断し、分数の問題を出した。

「12の3分の2は?」
「....。」

「じゃあ、12の2分の1は?」
「....。」


仕方ないので紙に円を描き、
「2分の1ってどれだけ?」と図示させようとしたが、これも失敗に終わる。

3分の1や4分の1の例を見せたらようやく2等分する線を描いてくれた。
片方の半円部を斜線で塗らせる。

「はい、それが2分の1ね。
 じゃあ、この丸全体が12だとしたら、黒い所(斜線部)はいくつになる?」


これでも「6」という答は出てこなかった。
一緒に来ていた妹(6年生)の方がよほどわかっていた。

しばらくは分数と割合のオリジナル教材をさせることで納得してもらい、10月から来ることになった。

最近入塾してくる生徒には、こういう極端な子が増えている気がする。
そうでなくても、分数や割合、比などをきちんと理解している子は極めて少ない。
おそらく90%以上は、これらがよくわからないまま中学に上がっているのではなかろうか...。

中2や中3でも、数学が苦手だと言う子は、間違いなくこの辺りができていない。
さらに付け加えるなら、速さや円の面積もかなりの数の中学生が苦手とするところだ。

言うまでもなく、いずれも小学校で学んだはずのことだ。
中学に入学する時点で、100%とは行かなくてもある程度はわかっているべきことだろう。
それがいい加減なままでは、文字式や方程式など理解できるはずがない。

小学校はいったい何をやっているのか!
複雑な小数の計算より、分数や割合にもっと時間を割くべきではないか。
総花的にあれもこれもと詰め込むより、
数学に直結する内容に的を絞ることが重要ではないかと思う。

小学校での成績のつけ方にも問題があろう。
◎と○、△だけで評価し、実際は多くの子が◎と○のオン・パレードという現状でいいのか。
子どもに自信を持たせるという目的もあるのかも知れないが、
この評価を鵜呑みにして、わが子の学力不足に気づいていない親も多いのだ。

極端な話だが、中学校はもちろん、小学校にも落第制度を採り入れるべきだと思う。
もちろん、逆に飛び級も認めるべきだ。
義務教育だから許されないというのは理由にならない。
諸外国の例を見ても、ごく当たり前のことだ。
その学年で身につけるべきことが全くわかっていないのに、進級させる方が不合理ではないのか...。

一応、今の義務教育にも制度自体はある。
「落第」ではなく「原級留置」というそうだ。
校長の裁量に任されているらしいが、
現実として、学業不振を理由にこの決定が成された例は皆無に等しいのではなかろうか。

「小学校のうちから勉強、勉強はかわいそう」という声はよく聞く。
私も、子どものときの遊びや生活体験の豊かさは大切なものだと思う。
これが乏しい子は、想像力や応用力、粘り強さなどが欠けがちだ。

だからと言って、「勉強のことは中学に入ってから」で済ませていいのか。
中学生になったのだから勉強しろ、
ガラッと生活を変えろと言われても子どもは戸惑うだけである。

いざ勉強しようと思っても、冒頭の子のように小学校のことがわかっていなくては、
中学の勉強もつまずくばかりになることは目に見えている。

どちらが本当にかわいそうなのか...。

小学校時代は大いに遊び、いたずらも喧嘩もすればいい。
でも、学校で習ったことがきちんと理解できているかは、親がチェックすべきだし、
できていなかったら何らかの対策を打つべきだ。

もちろん、意識の高い親は今でもそうしているだろう。
問題は一部の意識の低い親、及びその他大勢の普通の親である。
さしたる根拠もなく、「勉強、勉強は中学に入ってからでいい」という風潮に流されている親たちである。

小学校での落第制が真剣に議論されれば、
そういう風潮に一石を投じる効果があるのではないかと考えている。








  


Posted by どーもオリゴ糖 at 13:47Comments(0)よしなしごと