2010年07月19日

盆踊りにはこの曲!

7月17日、18日と、松代の町では祇園祭が行われた。
夜には目抜き通りが歩行者天国となり、夜店も出て賑わった。

塾の前の通りも車両通行止めとなったので、少し離れた銀行に駐めざるを得ない。
それはまあ我慢する。
ちょうど授業時間に当たるが、多少うるさくなるのも覚悟の上だった。

ところが、フタを開けてみたら、生徒が集中できなくなるくらいの大騒ぎ。
塾の真ん前で御輿が止まり、そこで盆踊り(だと思う...中から見てないので...)が始まった。
スピーカーから大音声で流れてくるのは、おなじみの「好きになった人」(by都はるみ)だ。

何分か続いたら、御輿が移動し始めて遠ざかっていく。
やれやれと思っていたら、そのうち戻ってきて、
また「♪チャララチャチャ、チャラチャチャ...」が始まった。
...生徒も大変だ。

考えてみたらこの曲、ずいぶん前から盆踊りに使われている。
昭和43年の曲だから、もう40年以上全国で流れていると思われる。
どこの町内会にもテープの1,2本はありそうだ。
圧倒的なシェアを誇っているに違いない。
イントロの知名度もかなり高いのではないか...。

それにしても、他に曲はないのか?
首都圏ならこれに「東京音頭」が加わる。
「炭坑節」もかなりの確率で採用されていた。

昔行った郡上八幡の盆踊りが懐かしい。
地元の民謡6曲が繰り返し演奏され、一晩中踊り明かす。
テンポの速い曲と遅いものがうまく組み合わされ、
長く踊っても疲れにくい構成になっていた。

本当はこのように、地元に古くから伝わる曲だけで踊るのが理想だが、
昨今ではそれを知っている若い世代は多くない。
そこで、誰でも知っている歌謡曲を使ったというのが始まりだろう。
それが40年も定番となっているのは驚きである。

昭和の時代なら、いくつも国民的大ヒット曲があった。
「好きになった人」以外にも、踊りやすい曲はあったはずだ。
あるいはそういう冒険もあったのかも知れないが、今に残っているものはない。

平成に入ってからは、国民的ヒット曲は皆無に等しい。
「千の風になって」はそう呼べるかも知れないが、盆踊りには向かないだろう。
氷川きよしの曲など、あってもおかしくないと思うのだが...。
「♪やだねったら、やだね」あたり、どこかで使われていそうだ。

「好きになった人」の歌詞は、どちらかと言えば暗い。
一時代前の「耐えて待つ女」がテーマの、典型的演歌だ。
この曲が盆踊り用として長らえている理由は、
テンポの良さと共に、この日陰っぽいイメージの歌詞にもあるのではないか。
盆踊りの曲は明るすぎてはいけないのである。

あのメロディーも捨てがたい魅力がある。
町内会の、かなりくたびれたテープの音はさらにいい。
胡弓の音にも似て、哀愁をかき立てられる。

まさか初めからそれを狙って作られたわけではあるまいが、
この曲は、盆踊りの曲としてふさわしい条件を満たしていたのである。

ところで、日本全国であれだけ流れている分、
著作権料はどうなっているのだろう?
初めはレコードやCDを購入していたとしても、
個人で楽しむ領域は超えているので、著作権料が発生しそうなものだが...。
各町内会が支払っているとは思えない。

そんな無粋なことは言わないで、というところだろうが、
日本中の分を合わせたらかなりの額になると思うのだが...。






  


Posted by どーもオリゴ糖 at 12:12Comments(0)よしなしごと